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ADHD(注意欠如・多動性障害)

ATTENTION DEFICIT/HYPERACTIVITY DISORDER

ADHD(注意欠如・多動性障害)

 

ADHD(注意欠如・多動性障害)とは

ADHDは、「注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害」とも呼ばれる発達障害の1つです。
原因の多くは脳機能の発達に何らかの機能異常があり、神経伝達物質のドーパミンやノルアドレナリンの働きが不足しているからといわれております。
 
不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(思いつくと行動してしまう)といった症状が見られます。
症状の現れ方によって「不注意優勢に存在」「多動・衝動優勢に存在」「混合して存在」と分類されます。
 
成人後の診断でADHDが明らかになるケースも多く、年齢に左右されない発達障害です。
 

ADHDの3つの種類と症状・特徴

多動・衝動優勢

「多動性及び衝動性」の特徴が強く現れ、「不注意」の特徴があまり強くないタイプです。
動いていないと気分的に落ち着かないだけでなく、無意識のうちに身体が動いてしまう、感情や欲求のコントロールが苦手などの特徴があります。
指名されていないのに先に答えてしまう、授業中でも立ち歩く、などの特徴から、集団生活で落ち着きのなさについて指摘されることも多いです。
 

不注意優勢に存在

「不注意」の特徴が強く現れ、「多動・衝動」の特徴があまり強くないタイプです。
授業中に集中し続けることが難しい、忘れ物が多い、外からの刺激などですぐに気がそれてしまうなどの特徴があります。
一方で、自分の好きなことについて考えたり取り組んだりしていると、話しかけられても気づかず、周囲の人に「無視をした」と誤解されることもあります。
 

混合して存在

不注意・多動性・衝動性、どれも目立つタイプです。

こんなお悩みはありませんか?

 

ADHDが疑われる子どもの特徴

注意欠如の症状

  • 勉強中に不注意な間違いをする
  • 活動中に注意を持続することが困難
  • 話を聞いていないように見える
  • 指示に従えず勉強をやり遂げられない
  • 課題を順序立てることが困難
  • 精神的努力が必要な課題を嫌う
  • 必要なものをよくなくす
  • 外的な刺激によってすぐ気が散る
  • 日々の活動で忘れっぽい

多動性・衝動性の症状

  • 手足をそわそわ動かす
  • 席についていられない
  • 不適切な状況で走り回る
  • 静かに遊べない
  • じっとしていない
  • しゃべりすぎる
  • 質問が終わる前に答え始める
  • 順番を待つことが困難
  • 他人を妨害し、邪魔する

ADHDが疑われる大人の特徴

注意欠如の症状

  • 集中ができず、ケアレスミスが多い
  • モノをなくすことが多い
  • スケジュール管理が苦手
  • 約束を忘れてしまう

多動性・衝動性の症状

  • 落ち着きがない
  • 一方的なおしゃべりをする
  • 感情が高ぶりやすい
  • 金銭管理が苦手
  • 自分の順番を待つのが苦手

ADHDの原因

現段階では、ADHDのくわしい発症原因ははっきりしていませんが、生まれつき脳に何らかの機能異常があると考えられています。
以下の、2つの原因が主に挙げられています。
 

大脳にある前頭前野の機能調節に偏りがある

大脳にある前頭前野は、前頭葉の前部分に位置しており、人間の場合は大脳の約30%を占めます。
前頭前野は思考・判断・注意・計画・自己抑制・コミュニケーションなど、ほかの動物にはない人間独自の活動に関わっているといわれています。
ADHDの方は、この前頭前野の機能調節に偏りが生じることによって「不注意・多動・衝動」といった特徴が現れると考えられています。
 

脳内の神経伝達物質が不足している

神経細胞同士は全てつながっておらず、「シナプス間隙」という隙間があります。
刺激や情報を隣の神経細胞に伝えるために重要なのが、「神経伝達物質」です。神経細胞の末端から神経伝達物質が出され、シナプス間隙を移動し隣の神経細胞に情報を伝えていきます。
神経伝達物質にはノルアドレナリンやドーパミンなど意欲や興奮に関わるものや、セロトニンなどの抑制性に関わるものもあり、ADHDの方はこの神経伝達物質の量が少ないことが原因で、正常に情報が伝えきれていないのではないかと考えられています。
 
このように、生まれつきの脳の発達の偏りや、脳内の神経伝達物質の関与
などが関係していると考えられているため、育て方やしつけによって起こるものではありません。
この他、遺伝との関係についての研究が進められたりもしています。

初診の流れ

 

  1. 予約(ご予約はお電話でお願いいたします。)
  2. 血液検査
  3. 心電図検査
  4. 頭部CT検査
  5. 診察
  6. 会計
  7. 処方

 

※診療の混雑状況により、問診や検査に時間がかかる場合や待合室でお待たせする時間が長くなる場合もございます。
※心療内科初診の方は、皆様一律で初診時検査をお願いしております。
※検査内容は順番が前後する場合があります。

ADHDの治療

心理社会的アプローチ

ADHDの方が自分自身の特性を理解し、生活のリズムを作ったり、スケジュールを決めて自身のセルフコントロールを行います。
これらの工夫をすることにより、生活環境や人間関係を改善することとなります。
また、社会で快く受け入れられる行動、態度とはどのようなものかをしっかりと理解していくことも大切です。対人関係の技能や社会のルールを学び、適切な行動をとることができるような方法を考えていきます。
 

薬物治療

ノルアドレナリンやドーパミンといった脳内物質の不足を改善する効果があり、それによりADHD特有の症状を抑制する効果が期待されます。
また、ADHDの傾向のために、周囲の人間関係や環境ストレスにより、うつ病や不眠の症状を伴う時には、患者様とご相談の上で、適宜抗うつ薬や睡眠薬を併用することもあります。
 

ストラテラ(一般名:アトモキセチン)

コンサータと同様に両方の働きを強めますが、おもにノルアドレナリンの働きを強めます。
コンサータと比べると比較的優しい薬で副作用も少ないといわれています。
副作用は眠気や気持ち悪いなどがあげられますが数日で治ることが多いです。また効果が出るまでの時間が長いことも特徴です。
 

インチュニブ(一般名:グアンファシン)

コンサータやストラテラは神経伝達物質の量を増やす目的で使われていましたが、インチュニブは伝達物質を受け取る側の神経細胞に作用し、多くの伝達物質を取り込めるようにしてくれます。血圧を下げる副作用があるため、心疾患のある方には注意が必要です。
また、副作用として半数以上の方が眠気の症状が出ています。朝起きられないなど強い症状がまれにあります。
 

抗不安薬・抗うつ薬など

ADHDの症状により、周囲の人間関係で強い不安や反抗、抑うつなどの2次障害をきたす場合があります。
そのような併存症がある場合はADHD治療薬に加え、抗不安薬や抗うつ薬などが処方されます。医師と話し合い自身のことをきちんとお話しすることで最良の治療薬の選択を行うことができます。

Q&A

Q:ADHDは治らないのですか?

A:これまでADHDの症状は、年齢を重ねると治まる傾向にあるとされてきましたが、最近の研究では、約60%の人では成人期にも症状が残ると言われています。
個人差はありますが。大人のADHDは子供の頃に比べて多動性が弱まり、不注意が目立つ傾向になるようです。

Q: 予約は必要ですか?

A:はい、お電話でご予約をお願いいたします。

Q:ADHDの人はうつ病を発症することがあるでしょうか?

A:ADHDの症状により、周囲の人間関係で強い不安や反抗、抑うつなどの2次障害をきたす場合があります。そのような併存症がある場合はADHD治療薬に加え、抗不安薬や抗うつ薬などを処方いたします。

Q:ADHDの治療のゴールはありますか?

A:ADHDの治療の目標は、職場や学校、家庭での困りごとが好転し、自信を持って特徴と折り合える事です。それにより充実した社会生活が送れる事をゴールとしております。

Q:ADHDの強みって何でしょう?

A:フットワークが軽く、行動力がある、スピーディーな判断ができる、
自分の意志を貫くことができる、好奇心の幅が広い、興味関心があることに没頭できるといった魅力があります。

Q:ADHDの人に向いている仕事は何ですか?

A:ADHDの人に向いている仕事は「フットワークが軽く、行動力がある」という特性を活かして活躍できる可能性がある「営業職」や「経営者」、「興味関心があることに没頭できる」「好奇心の幅が広い」という点から「Webデザイナー」「イラストレーター」「YouTuber」や「研究職」などが挙げられます。

Q:家族がADHDのようですが、どのように接すれば良いでしょうか?

A:まずはADHDなのか、気になる点があれば一度ご相談いただければと思います。
その上で家族や周りの方がADHDの方の困った場面に遭遇するとイライラしてストレスを抱えるかもしれません。
ADHDの方は、しつけが悪いからでも努力が足りないからでもなく、脳の機能の偏りによって自身の行動を制御できないからです。
例えば、ADHDの子どもが度々モノを忘れたりなくしたりしたとき、本人は忘れようと思って忘れているわけではありません。
それに対して何度も怒ると本人もストレスに感じてしまい、憂さ晴らしにほかの子を手で叩いたり悪口を言ったりする恐れもでます。また、大人の場合だと自己嫌悪や鬱につながることがあります。ADHDの方にとって難しいことには、ともに対策を考えることやポジティブな言葉をかけることを心がけることで環境は大きく改善されることでしょう。また、多動性・衝動性の子どもはエネルギーがあふれています。その場合はスポーツやレジャーなどエネルギーを発散できる場を設けるとよいです。
 

Q:家族と一緒に診察を受けることができますか?

A:診察を受けるご本人様が同意されましたら、ご家族の方も一緒に診察に入っていただくことは可能です。

Q:予約しないで当日診てもらえますか?

A:申し訳ございませんが、初診の患者様は、お話をじっくり伺いたいため、必ず事前にご予約いただいております。ご予約はお電話でお願いいたします。